スギ スギ(@sugitabe)です。です。
広島中華そばといわれる、豚骨と鶏ガラを炊き出したスープがベースの醤油ラーメンといえば、その老舗として「陽気」の名前は知られています。
広島市内に3店舗のお店があり、同じ屋号で系譜をたどれば行き着くところは同じなのですが、広島に住む人には「わしゃあ〇〇の陽気が好きじゃけえ」と、マイ陽気があるのです。
ここでいう〇〇とは、お店の所在地。
広島市中区江波、広島市西区横川、そして広島市中区大手町とにそれぞれ所在するお店は、やはり少しずつその味やたたずまいに違いがあるのです。
何年かに一度は期間をあけずして食べ比べをする私、ひさびさに行ってきたのでそれをご紹介します。
広島ラーメンの老舗「陽気」の中華そばに違いがあるのかを比べてみた。
まず、インスタグラムにこんな投稿をしてみました。
3店とも丼の縁に「陽気」と書かれているのは同じです。
しかし、ひとつはトッピングにメンマが使われていたりと明らかに写真からだけでもその違いを知ることはできます。
それでは答え合わせも含めて、ひとつずつご紹介していきましょう。
広島市中区江波
広島市民に「陽気」と聞くと、だいたいの方が想像されるのがこちらのお店でしょう。
広島市中区江波、街灯も少なく閑散とした住宅地に、ほわっと明かりを放つ赤ちょうちん。
16時30分から24時という営業時間で、かつ市街地からもそれなりに時間と距離のかかる場所でありながらもお客様の流れは止まらない、そんなお店。
メニューはシンプルに「中華そば 600円」という札が1枚あるだけ。
ごはんもビールもありません。
だからこそ、ひとりでお店に入ればお店の方に「ひとつお願いします」といえばそれでオーダーは終わってしまいます。
せいぜい麺のかたさだったり、ニンニクを入れるか入れないかを伝えるくらいです。
ほどなくして登場するこの中華そば。
スープから漂う甘い香りと、お店の近くにある有名製麺所「原田製麺」のストレート麺が最高のコンディションで登場すると、わざわざこのお店にやってきたという気持ちと相まっていい食事をすることができたと思うものです。
2019年7月末に訪問した際、価格改定の案内を見かけました。
個人的には飲食店の方にはもっと大きく収益をという思いが強いですし、原材料事情や税率のことを考えれば当然という気持ちでいっぱいです。
これ以上の価格に設定していながらも、悪い意味でテキトーなラーメンを提供しているお店もごまんとあるわけですから。
広島市西区横川
つづいてはこちら、広島市西区にある「陽気」です。
横川駅から中広通りに向かって500mほど、路地にあるお店です。
こちらは江波のお店とはちがって、サイドメニューにおむすびとビールの提供があります。
このあたりを混同して、江波のお店で「ビール!」という方をしばしば見かけるのは陽気あるあるでしょうね。
おむすびはこちら。
厚み2cm程度で大判の型でつくられた、塩っけの薄いむすびは、中華そばのサイドメニューとしてはじゅうぶんな引き立て役として存在しています。
ラーメンだけだとちょっと小腹が満たされないかな、というときにもってこいです。
そしてこちらが、横川の中華そば。
江波と比較するとメンマが入っていて、チャーシューも脂身があり、なによりスープの量がすこし多いので全体のボリュームはあります。
この後ご紹介する大手町のお店は、どちらかというと江波のお店に寄っているので、こちら横川のお店に違いを感じられる方も多く、私の周りにも「陽気なら横川でしょ」と名指しされる方もあります。
広島市中区大手町
最後にご紹介するのが、広島市中区大手町のお店。
NHK広島放送局や中国電力本社からほど近い場所にあり、夜に行けば近隣ホテルに宿泊の観光客を多く見かけます。
こちらのメニュー構成は横川のお店と同じですね。
私が訪問した時点(2019年7月末)では価格改定の案内がなされていなかったので、陽気のなかでは中華そばの価格が最安の設定をされていることになります。
店内に入ると券売機があるので、そちらで食券を購入してから着席します。
まずはおにぎり。
横川のお店でいただいたサイズ感のもので、塩加減もまたうすめで中華そばとのバランス感のよさがあります。
そして遅れてやってきた中華そばがこちら。
丼の形状、チャーシューの質、トッピングの内容はほぼ江波のお店を踏襲していて、江波のお店との違いはといえば少し醤油を強めに感じるというところでしょうか。
スープの感じ方はそのときのこちらの体調にもよるし、そもそもデリケートなコンディションを求めるのであくまでも個人的な評価として受け取っていただければ。
3店舗の陽気はこのように使い分けましょう。
今回は、広島中華そばの老舗としてその名が広く知られる「陽気」3店舗のご紹介をしました。
立地はもちろん、メニュー構成やラーメンの内容はそれぞれのお店に違いがあるので、その差はどこにあるのかという点を述べるならば次のとおりでしょうか。
江波
「陽気」の代表的存在
閑静な住宅街に突如としてお店があらわれる驚き
オーダーが「ひとつ」「にんにくひとつ」「ひとつとかためんひとつ」で通用するおもしろさ
横川
ラーメンのボリューム(特にスープの量)
メンマが入っている陽気の中華そばはここだけ
大手町
市街地にもっとも近い
ラーメンは江波のお店に近く、メニュー構成は横川と同じ
大きく見ればこのような違い、差が存在する「陽気」の中華そば。
広島市民の日常としてはもちろん、広島に観光でおいでになった方への参考になればとかんたんにまとめてみました。
これからも広島の中華そばを牽引していってください。
ごちそうさまでした!