酒屋の軒先でお酒をいただくことを「角打ち(かくうち)」といいます。
広島にも角打ちのお店はいくつもありますが、その中でも有名かつ、いつも行列のできるお店として知られる「ビールスタンド重富(しげとみ)」。
お店の前は頻繁に通るものの、その行列に心折れたり、仕事の合間だったりとなかなかたどり着けませんでした。
となると、意を決して「重富に行く!」と決めなければ行動にできないので、フェイスブックで同志を募っていよいよデビューしてきました。
今回はそのお話です。
ビールスタンド重富 〜 あなたは壱度注ぎ?参度注ぎ?復刻サーバが醸し出す、ゼロ次会酒場の楽しいひととき。
営業時間は17時から19時までの2時間。ほぼ毎日営業されていますが、必ずといっていいほどに営業時間中には行列ができています。
私が17時25分に到着した時点で店の前に8名、店内に8名、そしてこの直後に私の後ろに10名の方が・・・!
店の前のA型看板には、「本日の注ぎ手」として名札がかけられています。重富寛さんは、この店のマスター。多くのメディアにも出演されていますし、重富に関するブログの写真に登場されているのは、ほとんどこのマスターです。
ビールスタンド重富にはルールとマナーがあります。それもまたA型看板に。
待ち時間を楽しむために、お店の前にはクリアファイルに準備されたメニュー、マンガがあります。そちらをお楽しみください。
それにしても、1回の来店で飲めるビールは2杯まで。そして4+1の注ぎ方があるとなれば、最低でも3回はやってこないと重富のすべてを知ったことにはなりません。
さらに、年中営業されていることを思えば、暑い夏だけにとどまらずに極寒の冬、この5月の心地よい夕暮れ時、そして食欲の秋といった四季折々の楽しみ方を注ぎ方と組み合わせて楽しみたいものですよね。
いや・・・それにしてもいったいどれを飲んだらいいものか・・・。
今回、フェイスブックを介して集まってくださった3名も同様に悩んで悩んで・・・。
さてところで、入店したのは18時を少し過ぎたところ。
10人の行列を前に、店頭では約30分の待ち時間でした。同行メンバーと談笑しながら過ごした時間も含めて、あっという間の時間でした。
そして、マスターに案内されていよいよ店内へ。
重富デビューです!
一杯目は「壱度注ぎ」
散々悩んだ挙句、1杯目は4人揃って「壱度注ぎ」。
昭和初期のビールサーバを復刻させて製作されたというサーバは、現在主流となっているビールサーバよりも流量が多く、マスターがコックをひねるとビールが勢い良く注がれます。
その勢いのままに泡まで注ぎきってしまうのが「壱度注ぎ」。
マスターからオススメの飲み方を教えていただけるので、それに従ってぐっと飲みます。
・・・・・!
うまい!!
メニューにも書かれていたとおり、爽快な喉越しを楽しむことができます。
居酒屋などに駆けつけたときの「とりあえず最初の一杯」だったり「仕事の後の一杯」として飲むにはまさにこれ!という味わいです。
マスターのトークがつまみ
マスターにすすめられたこともあり、乾杯もしなければ写真も撮ることなく飲み進める我々4人。
店内には他に6名のお客様があり、マスターの軽妙なトークで場の雰囲気は和みます。
ひとつひとつのうんちくが唸らされるほどのもので、ただ単にビールを飲ませるだけではなくて、楽しく飲む場を盛り上げる役割も率先して果たしていらっしゃるマスターの人柄に惚れてしまいます。
そんなマスターのトークを楽しみながら、次の1杯を考えます。
そこで我々は「参度注ぎ」と「重富注ぎ」をオーダー。
「重富注ぎ」
この泡のきめ細かさたるや!
このビールは、現在主流となっているビールサーバで注がれるもので、泡の部分をあとから注いでビールを封じています。
ビールは空気に触れて酸化すると苦味と酸味を感じます。そのビールを飲みきるまでに泡を残しておくために、このきめ細かさがもとめられます。
もちろん、サーバの管理やグラスの洗浄、お手入れも大切なのはよくわかっているのですが、この「重富注ぎ」はその注ぎ方だけではなくてビールに対する想いを知ってもらうためにもぜひ飲んでもらいたいですね。
だって、「重富注ぎ」のビールは、現在出回っているビールサーバで注がれているもの、つまりどこのお店でも再現することは可能なんですから。
「参度注ぎ」
さて、私の2杯目は「参度注ぎ」でした。
注ぐのに時間がかかる、それも5分もと言われればいったいなにが出てくるのかと考えてしまいます。
その答えは・・・昭和復刻サーバから注がれるビールを3回に分けて注ぐことでマイルドな味わいに仕上げるというもの。
それがこちら。
「壱度注ぎ」と同じサーバから注がれたビールのはずなのに、まったく味わいが違うのです。これにはオドロキ!
グラストップにふわっと盛られた泡に鼻を突っ込んで召し上がれ。
おいしいは当たり前、笑顔のためにマスターはきょうも注ぐ
ビールのことをメインに書きましたが、このお店の特徴はマスターの人柄です。
酒のつまみは、マスターのトークで十分なのです。
ビールを注ぐたびに、その特徴を語ってくれ、そしてビールを楽しむお客様にちょっとウィットに富んだ合いの手を入れてくれます。
そのうんちくとひとことの心地よさが、ビールをより一層おいしくしてくれるんです。
きょうもメモを取りたくなる話をいくつも聞きましたが、それはあえてここには書かないでおきましょう。
ぜひ、おいしいビールと一緒にマスターのトークをたのしんでください。
そしてこのお店は、ゼロ次会のお店。
このお店を皮切りに、次へ続くお店へ足を運ばせてください。
それがマスターの、このお店を続けているモチベーションのひとつでもあるんです。
だからマスターは、会計を終えて帰るお客にこう言います。
「いってらっしゃい!」って。
ごちそうさまでした!
今回ご一緒した方です
今回はこの4名で重富を堪能しました。
ブログ「さいんぽすと」のイチさん、そして行政書士&FPの森井さんとお連れ様でした!
うん、このグルメ企画はもっと発展させたいぞ!