ていねいとあたりまえと。
1.本の紹介
2.本の要約、3つのポイント
1)おいしい料理は受け継がれておいしくなる
本書の章立ては、朝ごはん、ランチ、晩ごはん、そしてアロマをイメージさせるネーミングがあります。
なぜそういう章立てにしているのか、それはあとがきの文末にありました。
おいしい料理は、レシピを教えた人から人へと受け継がれながらおいしい料理となる。
そういう生き方もまた、より良くなっていくものとしてエッセイが描かれています。
2)暮らしの基本をととのえ、その毎日をていねいに
人としてのあり方というのは、相手にとってどう映るのでしょうか。
時間に追われ、せせこましく生きることが日常の毎日でも、たとえば毎日1時間の早起きでゆったりしてみたり、毎日が自分にとってのプロジェクトだと鼓舞しながら生きてみたりと、そういった心の律し方も自分をととのえるために大切な基本です。
その基本の上に成り立つ今日という日を、ていねいにかさねること。
だからこその本書のタイトル「今日もていねいに。」につながります。
3)生きていく知恵と楽しみ
世の中には知らなくてもいいことも多いし、知ったからといってそれに引きずられる必要がないということもあります。
そのなかから、生きていく上での知恵であったり楽しみであることを見つけ、適度に引き算でバランスを取ることがしなやかな人生を送るポイントです。
たかだか「腕を組まない」という心構えだけで、相手への関わりだけでなく自分自身の心の強さにもつながります。
3.本から学ぶ、3つのキーワード
1)「暮らしの引き算」
物心ともに満たされる環境は、必ずしもそれが必要なものによって満たされているかといえばそうではないこともあります。
必要でもないものに部屋だけではなく心も満たされているようであれば、適度に引き算をしてみましょう。
2)「足りない病」
お金や時間が足りないという口癖の人は、足りない病にかかっている可能性があります。
しなやかで背伸びをしない暮らしをしていれば、お金も時間もそれほどに足りなくなるということはあまり考えられません。
一時的な大きな支出などは別として。
「足りない」を口にするのは、何かの原因を他人に押し付ける可能背もあります。
3)「無になる訓練」
瞑想法の本から見つけた、心を無にする方法。
寝るときにでも、ちょっとソファに腰掛けたときにでも試してみましょう。
4.本から実践、ひとつの行動
『「足りない」という口癖をやめる』
「足りない」という状況はなぜ起こっているのか。
それを他人の責任にしようとしていないのか。
この思考ループを完結させるためにも「足りない」を禁句とします。
5.ご紹介した本の情報
6.スギコラム(読後感想)
松浦弥太郎さんの本は、文字に単語に、ことばにやさしさがあります。
決して強い口調やむずかしい単語を並べてあるわけではないのに、心にはすっと入り込んできます。
これはきっと、ふだんから難しいことや相手の理解を越えたモノの言い方をする自分が悦に入ることへの警鐘ではないかとも考えました。
つまり、本当に相手の心に響く言葉や文章は、なにも難しい言葉で表現しなくても十分だということです。
どうしても文章というアウトプットをしていると、知らず知らずのうちに手書きできない漢字をつかった文章を平然と書いたりするようになるもの。
こういったところにも、暮らしの引き算に「むずかしい漢字」というのを入れてもいいかもしれません、つくづくそう感じました。