弱いチームだから知ることができる

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1.本の紹介

プロ野球選手として活躍した著者によるチーム論です。

チームに関する課題と取り組み方は、なにもスポーツ界だけではなく、ビジネスの世界にも通用するお話。

成果が出ないチームはプレイヤーがまずいのか、それともマネジャーが悪いのか。

2.本の要約、3つのポイント

1)弱いチームの共通点

弱いチームというのは、良い成果を出すことができないチームでもあります。

そもそも結果を出すことのできないチームには、方針がないという場合が多くあるといいます。

方針がない環境下では、プレイヤーは何を頑張ればいいのかが明白ではなく、チームのために何をすべきかという自発的な行動につなげることも難しくなります。

マネジャークラスで言えば、プレイヤーの育成や獲得方針があやふやになり、中・長期的なチームメイクができません

短期的には調子よく見えても、次第に弱体化していきます。

「腐ったミカン」という言葉が出てきますが、その存在が顕在化するようになると成果が出ないことを他人のせいにするようになります。

これこそがダメなチームの共通点です。

ここまでくるとチームの危機感も欠如しはじめ、ふつうにやることさえも困難になります。

2)チームづくりの第一歩

弱体化していくチームを建て直すには、まずは「こうすれば強くなる」というプランを立てること。

弱小化して、瀬戸際のチームだからこそ思い切った戦術を立てることができます。

そのときに必要なことは、有望なプレイヤーを招へいしつつ、現存の戦力を高めていくこと、このふたつを進めていくことです。

そして、特に現存戦力を高めていくためには、伝え方に気をつけてプレイヤーのレベルに合わせた伝え方をすることにあります。

3)堕落した組織を戦えるチームに

プレイヤー、マネジャーに共通する点として、自分の能力を正しく把握してから戦い方を真剣に考えることからはじまります。

それをもとに、何をするべきか、してはいけないのかを学んでいきます。

そして、チームとして大切なこととして「ひとりでできることの限界」を知ることがあります。

マネジャーにおいては、献身的、目立たないプレイヤーにも気を配り、チームが勝っていても負けていても、プレイヤーへの接し方を変えないことが大切です。

 

3.本から学ぶ、3つのキーワード

1)「弱いチームにいたからわかること」

弱いチームにいては、いくら個人の成績がよくても心底喜べないものです。

とくに野球においてはチームの優勝がプレーの源泉となっているからで、最強チームのあり方を弱いチームに居ることで知ることができたといいます。

2)「思い、学んでチームをつくる」

最強チームをつくろうと思わなければいつまでもチームはできないし、正しいつくり方を学ばなければ成果はついてきません。

3)「気持ちよく、そして育成」

マネジャーサイドの考え方として、チームはコアな2割のプレイヤーは育てる必要がありません。そのかわりに気持ちよくプレーしてもらうことを考えます。そのまわりにいる人の育成を考えることが大きな課題です。

 

4.本から実践、ひとつの行動

『チームの能力を把握する』

チーム再建のはじめの一歩です。

 

5.ご紹介した本の情報

6.スギコラム(読後感想)

チームビルディングにおいて大切なことは、チームの実力をブレずに推察して、適材適所に配分することですよね。

そして、チーム一丸となるゴールを共有することにもあります。

プロ野球界で活躍した小宮山さんにして、その基本は変わらないということを教えていただけた1冊として読むと、この本は高校野球の監督やキャプテンにぜひ手にしてもらいたいものです。

青山学院大学の原監督もそうですが、選手の能力の引き出し方はもはや根性論の時代ではないですものね。

私も心情として思っていることに「学生時代に結果を出したスポーツ選手は、ビジネス界でも高い素質がある」ということを後ろ盾してくれました。