"親の死"は、必ずいつか訪れる。

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1.本の紹介

親の死は乗り越えるものではなくて、向き合うもの、付き合うものと考えています。

いずれやってくる別れを前に、感謝の気持ちを伝えるために今できることはなにがあるかを知る、それだけでも自らの生き方に向き合うことができます。

2.本の要約、3つのポイント

1)親としての人生は長い、では親子としては?

長寿世界一の座に君臨する日本、男性の平均寿命は79歳、女性は86歳と言われます。

そうであるならば、「親」として過ごす人生も長くなるわけですが、では「親子」として過ごすのはどうでしょうか。

仕事が忙しい、親子別居などの事情があると、どうしても親子がともに過ごす時間は少なくなります。親子の時間というのはそれほど多くないのです。

2)「親の死」という現実に向き合って気づく

いつかは訪れるその日のことを、頭のなかではわかっていても、実際には日々の忙しさに流されていきます。老いていく親との向き合い方を考えて思いを巡らしても、結局は「親の死」という現実に直面してからはじめて、二度と会えない親への思いを馳せることが多いでしょう。

「大人になってから、親と語り合うことがほとんどなかった」という人が多くあるとするならば、「親の死」を悔やんでも悔やみきれないと嘆く前に、行動することがあるはずです。

3)55通りの「親孝行」

親と子の残された限りある時間を、愛する親と過ごすための「親孝行」、それを募ったのがこの1冊です。収録された親孝行の数は55もあります。

行動のひとつひとつはシンプルな言葉。しかし、その行動を起こせなかった、起こさなかった自分への戒めと思ってひとつ、どれかひとつでも行動できるうちにかけがえのない大切な時間を過ごすための絆を見つけてください。

 

3.本から学ぶ、3つのキーワード

※ 55の収録から、私が個人的に感じたものを列挙します。

1)「家族揃って記念写真を撮る」

意外とないんですよ、写真。

断片的なスナップ写真はいろいろ撮っているんですが、みんなで勢揃いしたのって私の結婚披露宴以来なにもない。

それも今から7年前の話ですからね。

2)「親の若い頃の写真を見る」

両親の結婚披露宴の写真があるんです。

子どもの頃はそれを引っ張り出しては笑いながら見ていたのですが、いざ私が夫となり父親となると、気持ちのあり方ってぜんぜん違うんですよね。

聞いてみたいなあ、どんなことを思っていたのか。

3)「自分が生まれたときの話を聞いてみる」

母親には聞いたことがあるんです、中身を覚えていないけれど。

父親には聞いたことがないんですよね、どんな気持ちだったか。

私が親になった日、仕事仲間の協力ももらってめちゃくちゃ頑張って仕事を片付けて、病院へ駆け込んだことを覚えています。

私が生まれた日、うちの両親は、特に父親はどうだったんだろう。

 

4.本から実践、ひとつの行動

『そばにいる日を増やす』

ちょっとの距離でも親と離れて暮らすのは、会う頻度が下がってしまうものです。

きちんと計画して、会う日を決めることが大切ですね。

 

5.ご紹介した本の情報

6.スギコラム(読後感想)

先日、仕事で実家の近所にまで出かける案件があったので、その帰りに実家へ足を伸ばしました。

定年退職をして、嘱託での仕事もまっとうした父親は、家業の農業をぼちぼちとこなしながら毎日を過ごしています。

昨日も予告せずにうちへ行けば、本当にゆっくりとした時の流れる私の生家で、こたつに入ってテレビを見ていました。

父と私のふたりでとつとつと話すのは、老いていく身体との向き合い方、母親も目がかすみ始めていると言っているということ、そして私たち夫婦と娘のこと。

車で1時間30分の移動で出会える距離に住んでいながらも、結局は離れていると会うことさえも行動に入れなくなるんですよね。

「何かあれば1時間30分で行けるんだから」という理由、でもその「何かあれば」は往々にして取り返しのつかないことが起こったときに発動することのような気さえします。

会うたびに目に見えてわかるほどの老い方をしていく父を目の前に、この本のことを思い出して読み通しました。

両親ともに健在とはいえ、万全の健康体とは言えません。

「その日」を迎える前に、親への感謝をきちんと伝えなければ、それこそ悔やんでも悔やみきれないと自宅に帰る車中で頬を濡らしました。