キャラクタービジネスにも、重要なポイントがあります。
1.本の紹介
マスコット、モチーフ、わかりやすく言えばゆるキャラというくくりで語られる「キャラクター」。
「キャラクターブーム」と呼ばれる現代、期待されて生まれてはひっそりと忘れ去られていくキャラクターたちが多いこともしばしば。
いわゆる「ゾンビ化」してしまうキャラクターを減らして、生きたキャラクターを増やすことができれば個人、企業、社会に貢献できるのではないかという着眼で書かれたのがこの1冊です。
2.本の要約、3つのポイント
1)キャラクターの3つの楽しみ方
20年以上、広告代理店で勤務をしていた著者は、キャラクターの楽しみ方は3つあるといいます。
・キャラクター受け手として楽しむ
・キャラクターを使って楽しむ
・キャラクターを生んで楽しむ
2)なぜゾンビ化するのか
発信者、クリエイターとしてキャラクターを生み出したとしても、そのキャラクターをどう使ってビジネスを大きくしていくか、もっといえばそのキャラクターをどう活用するかを考えずに生まれたキャラクターは、せっかく生まれてもイラストカットだけの存在になってしまいます。
この状態のことを著者は「ゾンビ化」といいます。
3)長生きするキャラを生むために
本書では「コアラのマーチ」を引き合いに、なぜこのキャラクターが長期に渡って愛され続けているかを説明しています。
よくみるキャラクターには戦略があり、出生地などのバックボーン、キャラクターを使った先の戦略に向けた共通言語、なにより開発とキャラクターの目的が合致するかというところにあります。
大切なのは、キャラクターを「友だち」として感じらるような距離感にして、売りを全面に出すのではなくて、共感させるように仕向けることです。
3.本から学ぶ、3つのキーワード
1)「キャラクターも千三つの世界」
キャラクター戦略を立てる上で、タレントを採用するにしてもオリジナルキャラクターを制作するにしても、その前段階となるアイデアというのは千のうち3つが採用されるかどうかという世界です。
2)「ハローキティに口がない理由」
愛されるキャラクターは、幼児体型のバランスに近いことが多いといいます。
また、不完全なものに対して手の差し伸べたいという心理が働くこともあって、たとえば身体のパーツとして口がないキティちゃんが愛されるのもそういう理由があるからでしょう。
3)「キャラのリバイバル」
一度人気が出たキャラで、今では姿を見ることもすくなくなったものでさえ、ネットやいわゆるデジタルの時代と言われる昨今ではもう一度登場させて人気を博すことも少なくありません。
4.本から実践、ひとつの行動
『キャラクター十戒を心得る』
あとがきに書かれているキャラクター十戒を、あらゆるものに置き換える。
5.ご紹介した本の情報
6.スギコラム(読後感想)
キャラクターを作るということは、ブランドを作ることに等しくて、それはビジネスとも直結します。
曖昧なまま作ってしまうと愛情も注がれることなく、あっというまに心が離れていってしまいます。
まるでペットを愛でることに似ているように感じます。
キャラクターとともに愛されるビジネスが、永続する秘訣なんでしょうね。
そしてそのキャラクターというのは、普遍的なパーソナリティ、言ってしまえばオンリーワンの強みと言いかえることができる、そんな気がします。