「広島 ぎょうざ」で検索したらトップヒットする「清ちゃん(せいちゃん)」。
今までどれだけ熱望していて、そして入店できずにいたことか。
それがきょう、いよいよ念願の「清ちゃん」デビューを果たしたのでその記録です。
ビール、飲めなくてごめんなさい
時計の針は夕方5時に向かうところ。
たまたまこの界隈を移動していて、ふと「清ちゃん」にはこの時間帯ならいけるんじゃないか?ということで走らせていた原付の方角を変えてお店の前に。
すでにのれんは掲げられていて、そのスキマからこっそり覗いたら先客が1名とおかみさん。
これはもう飛び込むしかないじゃいですか!
ということで、晴れて「清ちゃん」デビューです。
明らかに一見客な私にも優しく声をかけて、席に案内してくれるおかみさんの接客は、さすが50余年の信頼と実績!
店内を見回すと、メニューは次のふたつ。
ビール 650円
(2016年6月30日現在)
そう、これだけ。
仕事の合間だから「ビールはちょっと・・・」というと、
「向かいの自販機で水でもお茶でも買ってきんさい。遠慮せんでええけえ」
という気づかい。
なんともこちらが恐縮してしまうほどの懐の広さでしょう。
その言葉に甘えて、店の向かいにある自販機で500mlの水を買いました。
そして、オーダーは「ぎょうざ2人前」。
ぎょうざを焼いている時には○○厳禁!
先客の男性も交えて3人で最近のカープの強さで盛り上がりながら、ぎょうざが焼けるのをまちます。
その間にもやし和えが用意されてきます。
このもやし和えは、ぎょうざと一緒に食べてもいいとのことなので、箸をつけずに談笑を続けます。
最近のカープが強いという話題から、プロスポーツ選手が数多く来店する話、そしてカープ黄金期と呼ばれる時代に「清ちゃん」へ来ていたカープ選手とのエピソードをたくさん聞かせてもらいます。
歴史ある店の看板を守るものとして、ご主人が亡くなった今でも店と広島を愛するおかみさんの人柄を強く感じるいいお話の数々でした。
具体的なエピソードはここでは割愛するので、実際にお店に行くか、私に会ったら尋ねてくださいね。
話は盛り上がり、私がオーダーしたぎょうざはおかみさんが愛する鉄製のフライパンでじっくり焼かれています。
そのさなか、お店のピンク電話(!)がじゃんじゃん鳴るのですが、おかみさんは一切出ません。
まるで鳴っているのを気づいていないかのように。
よくよく聞いてみると、ぎょうざを焼いている時にはそれに集中するから電話は出ないんだとか。
だから、電話で用件を伝えたいとき、たとえば焼き置きの予約や席の予約をしたいときには、3時から4時のあいだに電話をしてね、とのこと。
この徹底したぎょうざ愛は、それだけでも堪らないエピソードですよね。
そして、いよいよぎょうざの登場です。
「ねぎポケット」
これが2人前、16個です。
ぎょうざをおどおどと食べていると、おかみさんから「食べ方をおしえてあげる」と。
ぎょうざをひとつ取って、タレ皿につけるとぎょうざの皮のくぼみ側に「ねぎ」を入れなさい、と。
このくぼみのことをおかみ命名「ねぎポケット」と言うそうで、さらにもやしも一緒にいれるとより美味しく食べられるよというレクチャーも受けました。
うん、やはりはじめての店では言われるがままにしたがって食べるに限りますな。
ぎょうざとおかみと先客の男性と、和気藹々とした夕方のぎょうざ店はいつでも通いたくなるような、そんなあたたかさにあふれるお店でした。
ごちそうさまでした!