子どもの頃、どんなに見積もっても約30年以上前、私の実家である庄原市に「うどんの自動販売機」がありました。お金を入れて数十秒待つと、調理済みのあたたかいうどんが出てくるというそれ。美味しいかそうでないかはさほど問題ではなく、「自動販売機から」「できたての」「うどんが出てくる」というアトラクションぶりに高揚し、母親にねだってはよく買ってもらっていました。庄原実業高校の正面にあったと記憶しています。うん、きっと間違っていない。

成人してからも子どもの頃の印象は残ったままで、この自販機を見つけてはちょくちょく買っていたものです。時は過ぎて、ネットであれこれ調べられるようになってくると、それが「富士電機」というメーカー製のもので、今なお丁寧にメンテナンスされて稼働しているということも知るようになります。もっというと、レトロ自販機の専門サイトを立ち上げてデータベース化されていらっしゃる方もあるほどに。感服します。

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