とかく日本人は体裁や周りの目を気にしがちです。

自国の文化や生活様式でさえ
諸外国のそれと比べて一喜一憂してしまう。

決して悪いことではないけれども、
それじゃあまりにも自分たちの心の拠り所、
精神の「柱」がきちんと立っていないですよね。

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歴史、思想、宗教、文化・・・すべては今につうじる

日本人は何を考えてきたのかというタイトルで
齋藤孝氏は圧倒的な語彙力で
歴史を紐解きながら
今の日本人が持つべきアイデンティティについて
論じていきます。

なぜ、歴史を紐解いて
今この原題のアイデンティティに結びつけようとするのか、
それはわれわれが日本人の先代が受け継いできた
精神や思考を十分に学んでいないからだと
しています。

ひとつひとつのエピソードがおもしろく、
古典、歴史、現代社会にとシームレスに展開していく
この1冊はボリュームも読み応えも十分です。

たとえば二宮尊徳から松下幸之助、
そして先日退任された
セブン&アイの鈴木さんの話が同軸に語られるなど
時代も価値観も超えて
相手の手のひらに伝わる形の文章で広がる
日本人の知の歴史をひもといていくのは
とても痛快で、かつ読み応えたっぷりです。