広島市南区出島。
宇品港にほど近い工業団地に、ときおり激しい衝動に駆られるうどん・そばのスポットがあります。
うどん・そばだけではなく、むすびや弁当もあります。
新聞や雑誌もそろっています。
それだけ聞くと、ごくごくふつうのうどん屋さんでしょ?と思いますよね。
違うんです。
そこは工業団地の真ん中で長くから続いている『売店』、その名を「五洋売店」といいます。
なぜそんなに魅せられるのか、きょうはその点に触れていきます。
五洋売店 〜 昭和のレトロ自販機が調理するうどん、そばのスポット。トラック運転手にも人気のコンビニ(広島市南区)
「五洋売店」は、工業地帯のまんなかに古くからある売店です。
昼間は対人販売でむすびやパン、弁当、それに新聞や雑誌の販売もあります。
近隣の事業所に出入りする大型トラックの運転手が立ち寄って、弁当や飲み物を買うシーンはよくみかけます。
対面販売の脇にはガラスのショーケースに陳列されたむすびやコロッケが。
これらからチョイスすると、ショーケースからピックアップして薄紙ではさみ、未晒の紙袋に入れてもらえます。
こういうざっくばらんな感じって、なんだかレトロですよね。
お店の横にあるベンチで食べることもできますし、もちろん持ち帰ることも出来ます。
私が行った時には、路上で駐車していたトラックの運転手が車内で食べているシーンも見かけました。
そして昼過ぎになると、対面販売は終了して、店の脇にある自販機コーナーだけの営業になります。
ここにその、時折食べたい!と衝動に駆られるうどんとそばのスポットがあります。
ご存知でしょうか、富士電機のめん類自動調理販売機を。
今から30年以上前から稼働しているこの機械が、いまでもここで現役として活躍しています。
広島県内にはここと三次市にある1台。
私が幼少の頃、よく買ってもらっていたという思い出も相まって、冒頭に書いた衝動に駆られるのかもしれません。
メニューは2種類、天ぷらうどんと天ぷらそば。
いずれも230円です。
お金を入れて約25秒待つと、あたたかいうどんやそばが提供されるのです。
どんなふうに調理をしているのかは、こちらの動画が詳しいのでご覧になってください。
かなり衝撃的な調理風景になっています。
そして、25秒たつと自販機から商品が出てきます。
これを引き出して、自販機に備え付けてある割り箸や七味を取って、いざ実食となるわけです。
地道な仕込みが毎日の販売につながっている
動画を見ていただいたらおわかりのとおり、あらかじめ容器に麺や具材をセットしておく必要があるんです。
その仕込みをされた様子が、売店の奥に見える冷蔵庫の中にあるのを発見しました。
なるほどこのひと手間があっての五洋売店さんのうどん、そばなんですね。
ちなみに私が動画を撮影したものもあります。
こちらもよろしければ、ぜひ。
昭和の記憶と、いつまでもあって欲しいという思いと
機械の老朽化もおそらくオーバーホールしながら使っていらっしゃるのでしょう。
毎日の仕込みと補充があるから、ここのめん類自販機には営業時間が定められています。
そう考えると、ひとつのお店を構えていることに等しいにも関わらず、毎日の仕事に対してこの価格での提供は、単なるノスタルジーを超えた感謝の気持ちさえ私には湧き上がってきます。
個人的な幼少の思いをここで追体験しながらも、いつまでもあって欲しいと願うお店、それが「五洋売店」さんです。
ごちそうさまでした!!