スギ スギ(@sugitabe)です。です。

広島市南区宇品に、長く続くうどん店があります。

この話をすると「100円うどんのお店?」とリアクションをされる方は数あれど、次の句が「行ったことないんだよね」という返事。

そんな方のために、今回はそのお店をご紹介します。

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あかつき 〜 40年つづく100円うどんのお店で、商売について学ぶ。(広島市南区)

お店は南区宇品にあります。

住宅地の真ん中にありながら、近隣にはマツダ本社工場、広島競輪場もある場所です。

隣には、激安スーパーのたかもりもありますね。

「100円うどん」と呼ばれるゆえんは、お店の前にこうやって看板を出されているからなんですよね。

お店に入ったことはなくても、この看板を見かけたら刷り込まれるってものです。

店内はカウンター5席だけの、こじんまりとしたつくり。

ひと目見ただけではどこにメニューがわからない店内、でも見上げた正面には年季の入ったお品書きが用意されていました。

うどん、そば、100円。

天ぷら、肉、月見、きつねといった具入りのものでも180円。

それに、むすび、いなり、ゆでたまごが1個50円。

ワンコインもあればおなかいっぱいどころか、2食分の食事ができます。

今回は「天ぷらうどん」と「むすび2個」をオーダー。

あかつき「天ぷらうどん、むすび」

ラジオから流れるプロ野球のデーゲーム中継を聴きながら、うどんが届くのを待ちます。

そして、ほどなくできあがったのがこちら。

言ってしまえば家庭で食べるうどん。

うどんもだしも、天ぷらも、どこかで感じたことのある味わいのなかに、ちょこっと添えられたとろろこんぶとかまぼこ。

これで180円。

うどんを出してもらった後に用意してくださったのが、こちらのにぎりたてあったかおむすび。

中にはちゃんと具材が入っていて、1個50円だから、2個で100円。

どちらも、子どもの頃に母親や祖母がつくってくれた、どこの家庭でも確実に調理されたことのある味なんです。

特別ななにかのない、質素で当たり前の味。

ああ、いつからこの値段のままで商売をされているんだろう。

さいごに:おばちゃんとこんな話をしました。

「おばちゃん、このお店の営業は何年になるん?」

「40年じゃね。そろそろ引退も考えようるんよ」

この価格で営業を続けるということは、決して大きく展開するということでもなく、日々の暮らしの中にありつづけるためを思ってやってこられてきたという証。

飲食業といえば長期経営が難しいと言われるビジネスモデルの中で、その歴史が年数を重ねて今にいたり、そしてその幕引きも考えられているということ。

しかし、こんな話も聞きました。

「最近はね、ネットで紹介してもらうことも増えてね。それを見て「まだやっとったんじゃ!」いうてから、昔きてくれとった悪ガキがまた来てくれるんよ。「おばちゃん変わらんねえ」いうけど、そっちのほうがええおっさんになってくるのはおもしろいよねえ」

って。

こういうことって、ただ単に長くお店を続けるだけでいえるものではなくて、地域に根ざしたお店でありながら、街とその街に住む人たちとともに時を過ごしてきた方でなければ語ることのできない話だなあ、って。

そう思うんですよ。

昭和を思い返せば、学校の近くにあった駄菓子屋や文房具店っていうのがそういうイメージでしたよね。

おばちゃんがいつまでこのお店を続けられるかはわからないけれども、昔を知る方はあらためて、そしてまだこのお店を知らない方は昔を知る思いで、ぜひ足を運んでもらいたいのです。

結局、食事をいただく時間よりも、その後にお話をする時間のほうが長かったある日の昼下がり。

なつかしくて、こういう商売のかたちもいいもんだなと感じたのでした。

ごちそうさまでした!

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