前記事で「iPhone 8」をプッシュする内容をご紹介しました。
スペックや将来性、これからスマホでできることをいろいろと想像すると、前身モデルの「iPhone 7」から大きく変化を遂げていないと言われても仕方のない「iPhone 8」は、アップル信者と呼ばれる方には失望の内容でしょう。
言ってしまえば、ルックスだけだと「iPhone 6」から大きく変化していないわけです。
それだけに、もうひとつの目玉となった「iPhone X」には、未来の可能性が詰まっているように感じました。
とはいえ私の結論を言うと、「iPhone X」は購入を見送る機種ではあります。
今回は、この機種に対する考え方と未来への可能性をデバイスのありかたと発信力という点から考察してみます。
「iPhone X」発表。次世代スマホの布石になるこのモデルはまるで、iPhone誕生前夜のようだ。このハイスペックを手にして、アップルへの忠誠を誓って未来を手にできるか。
まるでiPhone誕生前夜のような風景だ
「iPhone X」キタ! #AppleEvent pic.twitter.com/aZ6x8ygC8Z
— スギ@広島のブロガー。食・働・稼の案内人 (@sugi_pallat) September 12, 2017
一部メディアでリークされていた内容がほぼそのままプレゼンされていく様子に、さみしくもありほっとしながらもこのキーノートを拝見していました。
そこで感じたのは「iPhoneって、iPodに電話がついただけでしょ?」と誰もが口にしていた「iPhone 3G」が日本に登場したときの気持ちになったのです。
そう、直前に発表された「iPhone 8」は、純然な正統後継モデルのiPhoneに対して、「iPhone X」は、これまでのデバイスに革新をもたらす装飾をふんだんに備えたデザインに仕上がっていると感じます。
つまり、「iPhoneって、iPodに電話がついただけでしょ?」と言われた10年前のあの歴史が、今度は「iPhoneに顔認証がついてホームボタンがなくなったんでしょ?」というものになりうるのです。
でもこの革新は、これまでのiPhoneの常識を心地よく覆していくでしょう。
Face IDなんて、単にデバイスのロックを解除したり買い物のための決済をスムーズにさせるための装置としてはおおげさですからね。
ここからはじまるアップルのあたらしいイノベーションが、「iPhone X」を舞台に広がっていきます。
スペックはたしかに高性能、でもそれに見合うだけのあなたでいられるか
「iPhone 8」のそれと比較しても、ディスプレイは有機ELで高密度の画素数、カメラの光学手ブレ補正が両レンズに採用、そしてなにより物理ボタンがひとつしかないほぼ全面ディスプレイという設計は、アップルが得意とする「感覚で操作することができるデバイス」の強みを遺憾なく盛り込んでいます。
「iPhone 8」との違いはさまざまあれど、問題はそのデバイスを扱う側の人間が、そのイノベーションに見合うだけの素質を持っているかということ。
十把一絡げにスマホとあえて言うならば、基本的にできることってどのスマホでも大差はないはず。
しかし、そのスマホで人々を感動させたり、ストレスを軽減させたり、ビジネスを大きく飛躍させたり、芸能界にデビューしたりと使う人のポテンシャル次第では、宝箱にもなるわけですよね。
デバイスを手にして気づく未来はあるかもしれませんが、なによりそのデバイスと共生して価値を生み出すという心意気がなければ、「iPhone X」だろうがガラケーだろうが、なにを使っても意味が無いのかもしれません。
口悪く言えば、搾取される側ですよ。
なぜ今回、私は見送るのか
ふだんだと新しいものには早く飛びついて、むしゃぶりつくしてその中身を我が物にしたいと願うのがガジェット大好きな私の考えでした。
しかし「iPhone 8」も「iPhone X」も、今回はいま手持ちにある「iPhone 7 Plus」でできることの先にある未来を塗り替えるものを見つけきれていないというのが正直なところです。
この思考は、iPhoneの発表が迫りくるたびに、そしていざ発表されて「大した内容じゃなかった」と幻滅する人と同じレベルのものかもしれません。しかし、その人たちと違うと信じているのは、今ある機種で最大限のパフォーマンスを発揮しながら、あたらしいデバイスの未来を少しずつ見積もっていくことにあるとも感じています。
Apple Watchを例にすれば、気になりながらもSeries 1を見送り、Series 2を購入したときのように。
「iPhone X」も次期モデルがあるならば、そこで購入するでしょう。
さいごに:アップルのお布施と捉えても差し支えはない
「Say hello to the future.」というアップルのコピーは、日本向けには「未来をその手に。」と訳されました。
未来を語るには、未来を手にすることがもっともその近道であることには違いありません。
しかし、人間というのは奇抜で誰もが考え得ないようなアイデアを量産することはできないし、これまでの思考や経験の延長からでしかモノやコトを導けないものです。
未来を手にするために、誰よりもその先に走る覚悟があるかどうか。
それもまたあなたの素質を問われているところでもあるんです。
だから、購入を猛プッシュするためのひと押しというのは、この機種から見いだせなかった私にしてみれば、「iPhone X」というのはアップルへのお布施と捉えるところが少なからずあります。
未来を、もっと描いてからそれを手にするかどうかを決めたいのです。
・・・なんて言ってはいますが、現実的な話をすれば「iPhone X」を購入する資金があれば、自宅のMac環境を更新したいのが本音なんですけれどもね、というのがこの記事のオチでした。
それでは、私とともに楽しいAppleライフを!