勉強の目的って、何だと思いますか?

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1.本の紹介

さっそくですが、質問です。

『勉強の目的って、なんですか?』

それを子どもにどうやって伝えますか?

きょうは、そんな本のご紹介です。

2.本の要約、5つのポイント

1)なぜ「勉強」をするのか

かつては勉強をして学力をつけたものが、幸せな人生を送ることができたと言われていました。

そのパラダイムに苦しむ現代社会、必ずしも高学歴がよい人生を送れるという将来の保証がないなかで、なぜ「勉強」をするのか、勉強のモチベーションはどこにあるべきでしょう。

かつての「勉強」のパラダイムは「いい学校を出て、いい会社に入る」というものだったはず。

今は人生の質を問い直してみる時期です。

「勉強」の目的は、「人生」の目的に等しく何のために生きて、何を頑張ればよいのかを模索し続けることにあると著者は言います。

2)国語力はすべての学力の基礎

国語力、すなわち日本においては日本語を操る力のことをそう言います。

日本語を正しく理解し、行動につなげることができなければどんな才能も開花しにくくなります。

なぜなら、国語力は「国力」と「語力」の総和で成り立つものだから。

国力とは、日本人の文化や道徳を学ぶコンテンツ、語力とは言語の4機能(読む・聞く・書く・話す)、これらを指します。

3)辞書引き学習法とは

子どもたちには小学1年には辞書を与えよと著者は言います。

感受性豊かなままに見るものすべてを受け入れ、その中から気になったこと、疑問に思ったことを口にするようになると、それを自分自身の疑問に即して辞書から引くという学習法を身につければ、子どもの「?」はどんどん「!」に変わっていきます。

なぜなら、どんな生活環境も「言語」で置き換えることができるから。

言語に関する疑問は、辞書が答えてくれるのです。

4)辞書引き学習法のふたつの側面

辞書を持つということは、常に学ぶという意思の現れ。

そこにこの「辞書引き学習法」をもちいることで、ふたつの側面がみえてきます。

ひとつめは「自分から調べてみるという姿勢」、ふたつめは「言葉を手がかりに、さらに追求する姿勢」、このふたつが醸成されていきます。

5)辞書引きが自学の近道

現代の管理教育では、子どもの伸びしろに合わせた個別の指導は到底不可能です。

ではそれを打破する方法はあるのか。

それは単純に、子ども自身が自ら学ぶことのおもしろさに気づいて、自学自習を実践することにあります。

未就学時代は、好奇心旺盛に活発だった子に「うちの子は天才だ」と思っていても、就学してから「宿題はおわったの?」と言うようでは学習の本来の意味が損なわれているに違いありません。

 

3.本から学ぶ、3つのキーワード

1)「思い込み」

自分はこうありたい、こうなりたいと強く思い、イメージすることで学びのモチベーションは高まります。

逆に言えば、今のレベルに合わせて型にはめてしまうのは本当の伸びしろを押さえ込んでしまって、ポテンシャルが引き出せない結果に終わります。

2)「自学」

「勉強しなさい!」「宿題は終わったの?」という声をかけているようでは、子どもは勉強の楽しさを知りません。

本当は、自らが学ぶ姿勢をつくること、そこからしか質の高い学びは得られません。

3)「十歳の壁」

小学4〜5年生にもなると、勉強についていけなくなる子が出てきます。

そして、大人を意識し始める年頃でもあります。

この年齢までに「自学」を身に着け、「国語力」を高める意識付けをしておけば、この年代を超えてからも結果を出し続けられるでしょう。

 

4.本から実践、ひとつの行動

『辞書を買い与える』

子どもと一緒に本屋へ出かけ、子どもが読めそうな辞書を買ってみます。

もちろん、一緒に選んで。

ちなみに、ここで買う辞書はなにも「国語辞典」に限らないのです。

辞典と名のつくもので、子どもが興味を示すならばそこから始めてみます。

 

5.ご紹介した本の情報

6.スギコラム(読後感想)

Wikipediaってありますよね。

そもそもは「みんなでつくる百科事典」を目指したものです。

そうやってつくられる辞書も、もともとは言語学習を積み重ねた人の功績によるものなんですよね。

ネットで簡単に調べられる時代でもその基礎力に読書や辞書を引く力は、欠かしてはいけないと感じます。

勉強の目的は、人生の目的を探すこととも書きました。

改めて、私自身が今も読書を続ける理由を人生の目的にも置き換えて考えてみようと感じた、きょうの1冊でした。