安佐南区祇園の「ザ・ラーメン」といえば、その評価が大きく二分されるお店ではないでしょうか。
年配の男性がひとりで切り盛りをし、決していいとはいえない愛想での接客。
無骨に盛りつけられたラーメンは、昭和風情を感じさせる店内にぴったり。
時代の潮流となるラーメン店とはまるで遠く、むしろそういう文化に迎合することはこの先も決してないと言い切れるほどの店内は、時間を問わずほぼ満席がつづきます。
いったいなにが私たちの「ザ・ラーメン」欲を掻き立てるのでしょうか。
文化?アトラクション?
私が「ザ・ラーメン」を語る上で欠かせないのがチャーシューメン。
もはやなにかの芸術をなしているとしか思えないその盛り付けは、おそらく広島随一のチャーシューメンと評して間違いないのではないでしょうか。
私はそれを、
『丼に肉の花が咲く。』と描写します。
麺とチャーシューの比率が明らかに逆転している一杯は、たとえそれをオーダーしない人にとっても、それを食する人がそばにいるという一体感、チーム感、バディ感がうまれてきます。
それはもはや「チーム ザ・ラーメン」に属しているという説明でも過言ではないでしょう。
そのチームにいる者のひとりとして、この店を愛する私が今回オーダーしたのはこちら。
「みそバターチャーシューラーメン」、950円。
ぱっと見の無骨さは、決して品が良いと言えるものではないかもしれません。
しかし、一時代を築いてきたラーメンに対して、我々は敬意を払うべきでしょう。
なにもそれはラーメンにかぎらず、常日頃の人間関係や上下関係にも言えること。
このラーメンの姿を見て、誰が文句を言えよう。
これからどうなるのか
年配の男性がひとりで切り盛りするお店を、我々はどんな気持ちで付き合っていけばいいでしょうか。
数枚の写真とともに考察します。
年配の男性がひとりで切り盛りされているこのお店。
人気店とはいえ、やはり後継問題は非常に気になるところ。
無骨な愛想でて決してていねいとはいえない接客だけれども、それだからこしこの店に行くという気持ちになるのも間違いありません。
今のままの環境がいつまで続くのかは、ある意味では店主のみぞ知るといったところでしょう。
永遠はあり得ないと悟りながらも、たまに会いたくなる片想いの相手のような心境で、これからも「ザ・ラーメン」を見続けていきたいと感じています。
ごちそうさまでした。