書評

[書評]谷川俊太郎さんが誰かの質問に寄り添うとき、その答えは詩人のもつ愛情に満ちあふれている。

投稿日:2016年9月28日 更新日:

きょうご紹介する本は、私が読書家を名乗るきっかけになったとしても過言ではないものです。

作家や詩人のように、自分自身が生み出すことばで誰かの力になれるかと考えることもそうですが、すでにあることばをたくさん浴びて、その経験と見聞の結晶がいつか誰かの力になれるのならば、その第一歩は詩人の1冊にあると感じたのです。

『谷川俊太郎質問箱』谷川俊太郎

『谷川俊太郎質問箱』谷川俊太郎

詩人のつむぐ言葉には、不思議な力があると感じています。

私が感じるその力とは、ひとつの言葉から大きな広がりを感じ、気づけなかったものの見方を教えてくれたりするもの。

だれかを傷つけることなく、でもその人の悩みをすっと解きほぐしてくれるような、そんな力があると思っています。

そんな詩人のつむぐ言葉であなたの悩みがすっと消えてなくなるのなら、どんなにすがすがしいでしょう。

得てして、どんな本にもなにかが変わるきっかけとなることばは散りばめられています。

でも、詩人のその本にはことばが持つ表現力を超えたエネルギーさえ感じるのです。

やさしい言葉で、こころが落ち着く

誰かの悩みは、もしかしたらこころのどこかでは、あなたの悩みに等しいかもしれません。

会ったことのない方の悩みに立ち会って、その悩みを詩人がつむぐ言葉で解決へと導かれると、不思議と私までもが共感して元気をもらったような気持ちになります。

専門的な相談であっても、たとえその質問に明るくないのではないかと思われる詩人がやさしく寄り添うと、こちらのこころまでもが落ち着くようなそんな言葉に巡りあうことができます。

そして、質問者の方に対する詩人の回答が私自身へのそれでもあるように心地良い錯覚となってこころに響いて穏やかで落ち着いた気持ちになります。

知らないことを知る旅に出る

たとえば、親であれば子どもから必ず訊かれる問いに詩人ならどう答えるのか。

それを詩人ではないあなたが受け取ってうまく咀嚼して伝えていくことができるのか。

知らないこと、うまく伝えられないことを詩人の言葉を借りて知ることであなたの生き方やものの見方が広がっていきます。

質問に答える詩人の姿は1対1の関係性ではなく詩人と、詩人以外のすべての人へと向けられているそんなやさしい本が私の大切にしている1冊になっています。

知らないことを知る旅に出かけて、あなたの人となりで誰かの力になってください。

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