ネット界隈の不文律
1.本の紹介
2.本の要約、3つのポイント
1)手段と目的をはき違えていないか
しっかり勉強して、いい大学を出て、できるだけ有名な企業に就職することは、自分の将来の可能性を減らさないための生き方です。
この生き方は、人生の選択肢を高い水準で広げておくための「手段」を増やすことであって、自分の人生の置き場をその中に決める生き方になります。
このことは、自分の人生の「目的」とするには弱すぎて、往々にしてありがちな手段と目的をはきちがえやすい人間に対しての警鐘でもあります。
なぜなら、人生の「目的」を果たすための働き方に必要なのは、地頭のよさでも論理的思考力でもなく、リーダーとしての才能を発揮し続けることで、そこから自分の人生を選んでいくことに尽きます。
それを、マッキンゼーではコンサルタントに求めています。
2)リーダーシップのありかた
リーダーシップの定義として「チームを牽引する少数もしくはひとりのリーダーが力を発揮するもの」と思われがちですが、じつはそうではありません。
本来のリーダーシップは、問題解決をひとりでおこなうものではなく、チーム全体で取り組むものとして、その誰もが持つべき力だと本書では書かれています。
特に小規模チームにおいては、リーダーの存在でチーム全体が牽引され成果を出していくというよりも、チーム全体にあふれるリーダーシップによるよりよいアイデアの創出から最善の策を選び続けていくということにあります。
大規模な集団よりも、より小さき集団にこそリーダーシップが必要です。踏まえれば、中小企業においてはどの場面でも、大企業においては経営の意思決定はそうではないにせよ、小単位のプロジェクトなどにおいては求められるものです。
3)リーダーに求められる4要素
「私はリーダーに向いていない」と感じる人がいれば、ビジネスマンとしての才覚は持ち合わせていないといえるかもしれません。
なぜなら、リーダーシップはチーム推進のための必須要件であるからです。
では、リーダーとして考え、行動するために必要なものは何か、それは以下の4要素だとします。
・目標を掲げる
・先頭を走る
・決める
・伝える
3.本から学ぶ、3つのキーワード
1)「バリューを出す」
つねに自分の行動に付加価値があったかどうかを、自己評価し続けることにあります。
たとえば会議において何の発言もしない人は、稚拙な発言をする人よりも低い評価となります。
無発言の人は、いなくてもいい人だからです。
つねに成果を生む行動、付加価値をしつづけます。
なにもマッキンゼーだけで求められることではないですね。
2)「ポジションを取る」
これの意味するところは「自分自身の意見は何か」「意思決定者だとしたら、どう決断するか」ということです。
リーダーであれば、その提言と意思決定がなければ職責を満たしたとは認められません。
これを日頃から意識していると、自分の考えの置き場をつねに明らかにするようになっていきます。
3)「リーダーシップ・キャパシティ」
今の日本に足りていないのは、カリスマ性のあるリーダーではありません。
リーダーシップ・キャパシティ、つまり日本全体でのリーダーシップの総量が不足しています。
カリスマリーダーのもとでしか機能しない組織では、非常事態などではその脆弱さが即座に明らかになります。
カリスマリーダーは、そのことまでも予見して、マニュアルをつくると言った予防策を引かなくてはいけなくなります。
これでは機能しないどころは、組織の崩落です。
そこで、リーダーシップをもつ集団がつねに思考を巡らせていく価値創造にこそ、日本のリーダーシップの総量が増えていくことにも直結します。
4.本から実践、ひとつの行動
『その行動に価値はあるのか』
リーダーシップの必要性もさることながら、日ごろの意思決定とその行動にどんな価値創造があるのかを意識してみます。
結果として、そこから生まれるリーダーシップの底力が、ビジネスでの胆力になりますからね。
5.ご紹介した本の情報
6.スギコラム(読後感想)
骨太の本でした。
小規模チームの運営をするときに抱く悩みは、プロジェクトがうまくいかないことに端を発する機能性の問題に帰着します。
それは往々にして、メンバーの力不足によるところが大きく、果たしてその問題を解決するのがカリスマのリーダーであると結論づけてしまっては、プロジェクトがうまく推進することはおろか、リーダーは疲弊し、メンバーは成功体験を得ることなくクロージングしていくというつまらない結果になります。
この現状分析からも、いかにチーム全体のリーダーシップに成果発生と成功体験がもたらされるかということが手に取るようにわかる気がします。私なりにですが。
今回ご紹介した、伊賀泰代さんの本で最新刊『生産性』も近々読んでみることにします。
そんじゃーね。