小さな習慣を数多く変えること。
1.本の紹介
中小企業の経営コンサルタントとして全国から多くの経営者が集まる著者も、もともとは経営がうまくいかないことで苦しんだ時代を経験したひとりです。
株式会社武蔵野の小山昇社長をはじめとする、経営のカリスマが実践してきたことを「小さな習慣のカイゼン」から導いたのが本書になります。
その数は50あり、これを実践する社長こそが、会社を回復、改善、発展できるとしています。
なぜなら、小さな会社の運命は、99%が社長の力量で決まるからです。
2.本の要約、3つのポイント
1)五郎丸選手のルーティーン
著者が本書を書き上げているさなか、当時のラグビーワールドカップで日本代表の五郎丸選手が「ルーティーン」としてのポーズなどを公開していました。
スポーツマン選手は、決められた動き(ルーティーン)をすることで、精神を安定させていつもどおりのパフォーマンスを発揮します。
経営でも同じことが言えると著者はいい、特に小さい企業の社長であれば、何時何時も心を整え、つねに平常心を保ったうえで意思決定をし続けなければならないといいます。
2)能力よりも考え方を重視する
小さな組織を運営していく上では、個人の能力よりも考え方(価値観)を重視します。小さな組織は、個人の能力に頼るとそれがブラックボックス化してしまい、仕事の成果が誰もが再現できなくなります。
だからこそ大切なことは、組織の考え方(価値観)を理解する人間を評価することを必要とします。
3)失敗を重要視する
小さな失敗は、未来の時間の先取りです。
小さな失敗は、お金と時間を失うけれども、それと引き換えに体験を手にできます。
あたらしいことを取り組むときには、誰だって不慣れで成功しにくいものです。どうせ失敗するとわかっているのならば、早くチャレンジして早く失敗すればいいのです。
小さな失敗さえも避けようとすることは、成功からも遠ざかります。
挑戦するからこそ失敗、そして成功があるわけで、挑戦しないことは成功からも遠ざかって、ジリ貧が始まります。
だからこそ、小さな失敗を重要視しながら、小さな習慣を数多く変えることを求めるのです。
3.本から学ぶ、3つのキーワード
1)「家族と過ごす時間を確保する」
どんなに忙しくても、家族を顧みないのは偉くもなんともありません。社長業、リーダー、マネジャーとしての仕事を支えているのは家族です。
2)「再現性」
著者がこだわることに「再現性」があります。その仕事、その行動、その習慣はその人だけができるものではなく、誰でも同じように再現できることで同じような結果を出し続けることができます。
3)「習慣は能力を凌駕する」
本書では、小さな習慣を重要視します。
五郎丸選手、イチロー選手の具体名も出てきますが、彼らもまた習慣化することで精神を整えることを基本とした自身のありかたを律しています。
経営者、リーダー、マネジャーも小さな習慣をおろそかにしないことで、能力を越えた成果を手にすることができるようになります。
4.本から実践、ひとつの行動
『年間スケジュールを立てる』
14ヶ月先までのスケジュールを立てて、明日すべきことを導き出します。
5.ご紹介した本の情報
6.スギコラム(読後感想)
3冊続けて、金村秀一さんの著書を読みました。
ご紹介していないもう1冊の本として『部下には「あいさつ」だけ教えなさい』という著書もあります。
一貫して伝えられているのは、「成功し続けるためには習慣化と、それをゆるやかにバージョンアップしていくことにある」という点です。
著者の金村さんから、そのことを直接お伺いしてから私もそうあるように努めていますが、時折迷いが出たり、逆に自信をもらいたいときに再読しています。