国語力はすべての基礎。
1.本の紹介
勉強ができて自分の好きなように生きる子どもになって欲しいと、子どもを持つ親としては多くの人が感じることでしょう。
そのために、子どもにとってたいせつなことは何でしょうか。
人生の基礎体力づくりとも言える読書、その読書量が10歳までにどれだけあるかでその後の人生を決めてしまうかもしれない、というお話です。
2.本の要約、5つのポイント
1)「読書量」で学力が決まる理由
子どもが小さいうちから何かを習わせなくてはと焦る親御さんは多くいらっしゃいます。
子どもの興味のありかとは別に、親が習わせたいことを子どもに学ばせようとする環境づくりは、たしかに子どもにとっては刺激的なものです。
しかし、そこで学ぶことにしても、そもそもその先の人生で多くのことを学んでいくのに大切な基礎力として、言葉を理解する力が必要になります。
この言葉を理解する国語力が備わっていなければ、何を学ぶにしても十分な学習効果は期待できません。
難しい勉強は10歳からでも遅くはありません。
それまでに、たくさんの本を読んでいるかがその後の学力の伸びしろにつながっていきます。
2)「読み聞かせ」の効果
一般的に「読み聞かせ」というと物語を読んで聞かせる、絵を楽しむといったことに興味を向けられるかもしれません。
しかし、なぜ「読み聞かせ」をするのか、それは「情操教育に役立てるため」です。
そうなると単なる物語を聞かせたり、絵を楽しむといったことだけではなくなってきます。
「読み聞かせ」は、言葉、文字のもつ「音」をはっきりと聞かせ、身体に染み込ませるようにしておこないます。
こうすることで、日本語のもつ味わい、たとえば「は」と「が」の違いといったものを意識するようになります。
3)本を読まずにはいられない環境づくり
読書は習慣です。
興味本位では、読書量も増えなければ効果も期待できません。その習慣をつくるための環境は、親が整えるものです。
1日の生活サイクルのなかで、本を読む時間を決めることもそのひとつ。たとえば寝る前は読書タイムを設けるなどがそうです。
そして、子どもは大人の真似をしたがります。
つまり、大人が真剣に読書をする姿を見せていれば、子どもにもそれが当たり前の姿となって映るようになります。
4)自発的に読書をする子になるには
子どもが本を欲しがれば、積極的に与えることをしていきます。
定期的に書店へ足を運ぶもよし、図書館を利用するもよし、本のある生活を日常にします。
そして、「読み聞かせ」をベースとした読書をしていきます。
読み聞かせは大人が子どもにばかりするのではなく、子どもに読み聞かせをしてもらうというのもいいでしょう。
5)「文学」と「知識本」の2本立てで
読書量を増やしていく上でより高い効果が得られるのは「文学」と「知識本」のジャンルを選んでいくことにあります。
「知識本」は、学校で学ぶことに直結していて、予め本を読んでいれば学校での学びが追体験になることもあります。その逆だとしても、より詳しいことを本から学ぼうとします。
「文学」は、語彙力、表現力のアップに直結します。すると自己表現力が豊かになり、感受性も高まっていきます。
3.本から学ぶ、3つのキーワード
1)「日本語了解能力」
日本語を理解する能力、すなわち「国語力」のことを指します。
2)「めっちゃ読み」
子どもはお気に入りの本を見つけると、何度も何度も読みたがります。これを「めっちゃ読み」といいます。
大人にしてみれば「え、またこの本?」と思ってしまうところも、子どもにしてみれば読みたいのですから積極的にすすめていきましょう。
3)「読書量の貯金」
単純に本を読んだという記憶よりも、「読み聞かせで本を読んでもらった」という記憶のほうが子どもにとっては大きなレバレッジが効きます。
10歳までにこの貯金をどれだけ蓄えることができるか、それがその子の学力の底力に直結します。
4.本から実践、ひとつの行動
『親も本を読もう』
子どもに「本を読みなさい!」と命令だけする親は少なくないでしょう。しかしそれではやられている感しか伝わりません。
大人も一緒に本を読むつもりで、子どもに寄り添っていきましょう。もちろん、読み聞かせを交えながら。
大人も大人なりの本を読むことが、人生への投資になります。
5.ご紹介した本の情報
6.スギコラム(読後感想)
週に1回くらい、子どもを寝かしつけることがあります。そのときには必ず絵本を3〜4冊、読み聞かせしています。
今までは単に読めばいいや、寝てくれればいいやという気持ちでしたが、気持ちを切り替えて「子どもがしっかりとした国語力をつけてほしい」という思いで、はっきりと音をきかせる読み聞かせにシフトしていこうと感じましたね。
そして、できるだけ子どもの前で本を読むこともしてみます。
私の書斎には本が300冊くらいありますが、まだまだ風景にしか映っていないかもしれませんからね。
このの本は、幼児教育と読書の関係性をていねいに教えてくれる、いい本でした。