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「神ってる」って言ってる?流行語大賞に踊らされる言葉の闇

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辞書

今年もユーキャンの新語・流行語大賞が発表されましたね。広島人としては「神ってる」が年間大賞に選出されたことを嬉しく思っています。中央が広島に寄って評価しているとか、斜めな論評も見かけることはありますが、まあまずはよいではないですか。

「神ってる」って言ってる?流行語大賞に踊らされる言葉の闇

言葉には「プラスの言葉」「マイナスの言葉」がありますよね。

ネガティブなことでもプラスの言葉に変換して口にすることで、セルフイメージを高く保つことができます。そうやって考えると、「神ってる」というのはプラス寄りの言葉。前向きな気持ちにブーストをかけてくれる気がします。

言葉は時代を映している

冒頭にも書いたとおり、「神ってる」というのは今年絶好調だった広島カープのリーグ戦で、驚くべき活躍を見せた鈴木誠也選手を緒方孝市監督が評したもの。もっといえば、緒方監督のお子さんたちが言い出していた言葉なんですよね。

新しい言葉、流行する言葉というのは、社会や時代を動かすエネルギーの中心から派生していきます。カープの成績がいいから家庭でもプラスの言葉が生まれてくる。それが家庭を飛び出してもっと広いコミュニティに受け入れられるように拡散していく。言葉の美しい広がりがあると感じる、今年のカープの好調ぶりを締めくくるにふさわしい賞だと感じています。

日本をdisってますよ?

一方で、マイナスの言葉もまた生まれていきます。

「保育園落ちた日本死ね」という言葉がノミネートされましたね。「死ね」だなんて物騒極まりない言葉がプラスの言葉になることはまずあり得ません。その対象が日本なのですから、死なばもろともの勢いですよ。

言葉が生まれた背景には、一億総活動社会を提唱する政府の思惑とは違い、保育園に子どもをあずけることのできなかった母親の姿があります。待機児童解消という、これからの日本社会が改善策を見出していかなければならない社会問題に対して、極限にdisった言葉が流行語になってしまうのは、もはや白目をむいてしまいます。ああ怖い。

使う人の品性も問われますよ?

「日本死ね」はものすごく怒りに満ちた呪詛の言葉です。お母さんの気持ちは並々ならないものでしょう。実際にその言葉のエネルギーは、ツイッターを通じて拡散され、マスコミも取り上げ、今回のように新語・流行語大賞に入賞を果たしました。

しかし、こうやって生まれた言葉はいずれひとり歩きし始めます。親元を離れて歩いて行く言葉に対して、特に負のエネルギーが強い場合には、その言葉の持つ力をよく理解しておかなければ使う側が品性を問われかねません。

「日本死ね」という壮大なdisに対して、その言葉を扱う人のあり方が見え隠れする点では、たとえばブロガーのように言葉を扱う人には本当に気をつけてもらいたいと願うのです。

さいごに:「神ってる」って言ってる?

「神ってる」という言葉がどういうふうに生まれたのかという経緯も含めて把握はしていたものの、私自身はSNSやブログでは使っていませんでした。好き嫌いといった問題ではなく、単に使う場面がなかったから。

とはいえ、この言葉が年間大賞を受賞したことは嬉しい、これは冒頭にも書いたとおりです。

ひとつだけ言えるのは、自分が使っていなかったからとか、接点が薄かったからという理由で「なんでこの言葉が大賞獲ってんの?」といった思考にはならないでおこうということ。

選ばれたものにはそれなりの理由があるんです。プラスの言葉にもマイナスの言葉にも、その場に出てくるにふさわしい理由がある。その理由を仮説でもいいからきちんともって、言葉と向き合っていきたいものです。

それが本を通じて言葉と触れ合って、人が生み出す言葉を感じる人間ができる情報発信だと考えています。

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スギ

【名前】スギ(すぎたに ひでのり)
【エリア】広島県広島市
【どんな人?】
読書家、リーディングファシリテーター、ブロガー、コーチ、心理カウンセラー、経営アドバイザリーを軸にした、セルフブランディング・ナビゲーター。

あなたの「好き」を広める情報発信のお手伝いをしています。

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