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書評

[読書書評]『よい謝罪 仕事の危機を乗り切るための謝る技術』 竹中功

投稿日:2017年1月28日 更新日:

事が大きくなるのは、謝罪に失敗したからだ!

1.本の紹介

吉本興業で35年にわたって謝罪会見を取り仕切ってきた「謝罪マスター」こと著者の竹中功さん。
有事が起こってしまったときに、被害者におさめていただく方法や、そもそも謝罪をしなくてもいいような関係性を持たせる方法を現場で積み重ねてこられた実体験をもとに書かれた1冊です。

なるほど、吉本興業も芸人やタレントさんを商品として扱うサービス業だからこそ、筋の通った謝罪は必要となるんです。

2.本の要約、3つのポイント

1)なぜ、人は怒るのか

平穏な生活を送っている人が突如、その暮らしに害を受けてしまったと感じた時に怒ります。

身体の痛みの場合もあれば、精神的な痛みの場合もあります。いずれにしても被害者が害を被ったのであれば、マイナスに触れてしまった心の動きに対して、加害者は誠意を持って対応し、少しでもプラスの方向に戻す努力をしなければなりません。

それが謝罪です。

2)よい謝罪を実現する方法

謝罪を行うには、出来事を自分ごとで捉えることのできる精鋭チームをまとめる必要があります。

そして、有事発覚からスピードを持って対応をし、謝罪を成功に導かなくてはなりません。

そのための6つのステップを経て、被害者に納得し知多抱ける落とし所となるゴールに向けて、誠心誠意対応することになります。

そのステップは以下の6つ、当たり前といえば当たり前ですが、これが一番被害者に伝わるものです。

1・命や身体に関わることはないかを確認
2・経緯・事態を時系列で整理して完全に把握
3・「謝罪シナリオ」を書く
4・原因を究明し、再発防止策をまとめる
5・直接の被害者に、直接謝罪に行く
6・必要であれば、対外的に発表する

3)謝罪を減らす方法

謝罪を迫られる有事は、突然起こります。
それを避ける、もしくは落ち着いて行動するために必要なことは、平時に危機管理チェックリストを作成し、それに則った組織活動ができているかによります。
組織の大きさにおいては、コンプライアンス研修の実施も重要になりますが、なによりたいせつなのは、直接的なコミュニケーションによる生の声を聴くことにあります。

社員だけではなく、お客様、マスコミであれば記者の目に沿ってみるなど、相手の立場にありながらに自分の意見を投影してみれば、謝罪を減らすためのお互いのあり方が見えてくるでしょう。

 

3.本から学ぶ、3つのキーワード

1)「吉本興業」

誰もが知るところにある吉本興業では、謝罪会見を開く機会もおのずと多くなります。昨今の消費者による強い主張が高まれば高まるほどに、そこで示さなくてはならない誠意というものもあり方が問われます。

リスクマネジメントとしての研修やコミュニケーションのあり方など、表舞台では決してうかがい知れない芸能界の裏事情を、謝罪という観点から触れてみるとその企業のあり方が違う視点からも見て取れると感じます。

2)「グッドコミュニケーション」

コミュニケーションのあり方は、言葉のかけ方にそのあり方が見えてきます。

コミュニケーションの基本は、まずはこちらから働きかけることにあり、ほんのひとことの言葉のやり取りからはじまるコミュニケーションがお互いの関係を強くしていきます。

コミュニケーションが豊かになって築かれる人脈や信頼は、いざという有事のときに手助けをしてくれる強力なパートナーになり得ます。

3)「答えないことと嘘をつくことは違う」

謝罪すべき本来の出来事とは異なる回答を求められたとき、なにもそれにまで丁寧に対応する必要はありません。

なぜなら、謝罪すべきこととは関係がない回答が火種となって、相手にとってそこで得られた情報で揚げ足を取ってくることが想定されるからです。

 

4.本から実践、ひとつの行動

『コミュニケーション!』

身近な相手、協力を求めたい相手に気軽な声掛けをかわしていきましょう。

 

5.ご紹介した本の情報

6.スギコラム(読後感想)

吉本興業という大所帯、いわば芸能界でも大きなポジションをもつ企業がコンプライアンスに取り組む裏側には、「吉本興業はサービス業である」ということが根本にあるからですね。

芸人、タレントさんという商品に問題があれば、それを謝罪するのは会社の仕事、それはそうですね。

しかしそこが人間と人間のやり取り、商品そのものが人間であるからこそのドラマもあって、ひとことで謝罪、謝罪会見と言っても奥が深いものだということを知らしめてくれました。

というふうに書くと、ちょっとお硬い本のイメージができあがるかもしれませんが、そこは吉本興業で長きに渡って前線を張ってこられた著者、最後まで読みやすくて関心を寄せるポイントも多い本でした。

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