「フリーランス」とか「フリーエージェント」に夢や希望を抱く人がいます。

組織や会社で生きながらえていく自分の姿を想像して、そこから飛び出すんだ!という人が多いようにも思うんです。

きょうご紹介する著者である中川淳一郎さんも、元は博報堂にお勤めでした。

そこから飛び出してフリーランスとして働く中での悲喜こもごもをエッセイとされたのが本書です。

理想と現実のギャップが赤裸々に書かれたこの本、ご堪能ください。

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『仕事に能力は関係ない。27歳無職からの大逆転仕事術』中川淳一郎

仕事に能力は関係ない。「仕事と人間」を考えるとき、つまりなぜ仕事をするのかという問答を繰り返していく先に行き着く答えとして、著者は『(その仕事を)誰とやるか』であると述べています。

 

その『誰』という相手は、仕事を発注してくれた雇い主であったり、その仕事を一緒に取り組んでくれるビジネスパートナーであったり、取材対象や取引先であったりするわけです。

 

その相手から得られるものに、フリーランスが仕事を選ぶ条件として3つを掲げてあるのですが、これがなるほどたしかにと唸るものでした。

1・(その相手、その仕事を通じて自分が)成長できる

フリーランスとなれば、来るもの拒まず、去るものに必死に食らいつくという精神が必要になるシーンも少なくないでしょう。

 

けれども、そういったときになにもかもに闇雲に手を出すのではなく、果たしてその仕事から何を得ることができるのかということを意識した仕事選び、相手選びが大切です。

 

仕事を通じて成長を図る意識がなければ、見聞も知識も人脈も広がらないし、そういう人には仕事もやってこなくなりますよね。

 

2・カネ払いが良い

なんだかんだ言ったって、働くことの大目的には「カネをいただく」ことでしょう。

 

ボランティアではないわけですし、会社員のように基本給があるわけでもなければその必然性たるやいかばかりかというわけです。

 

でもこれは、ウィンウィンの関係になれているかどうかも重要であって、こちらの思いばかりを伝えるようであれば向こうも敬遠しかねません。

 

結局、相手との良好な関係を持っていれば、対価も気持ちよく支払っていただけるというものです。

3・仕事相手のことが好き

好きでもない相手と仕事をするストレスはかなりのものです。

 

そして、そういった相手と関わることで自分自身がネガティブになることでもあれば、日雇いに近いフリーランスにとっては死活問題にさえ成り得ます。

 

だって、メンタルの健康を損なったら、簡単には戻ってこれないでしょう。

 

カネ払いのことにもつながりますが、相手を愛さなければもらった仕事の仕上がりにも影響は出てきますからね。

雇い主とどう関わるか

著者は、雇い主というのは自分の雇っているフリーランスが優秀な人材であることを周囲に知らせたいと思っている、と述べています。

 

青田買いにもつながるものとして、良好な関係のある雇い主への最高のアウトプットは、雇い主の評価だけではなくてその後のビジネスパートナーとしての関係も強固になって、世間にも評価されるようになります。

 

ここまでくるとある程度の安泰が見えてくるかもしれません。

 

しかし、そのステージに至るために雇い主に対してアピールすることも大切で、それも簡単にいえば次の3つがそれにあたるでしょう。

本文に明言はされていないものの、仕事に能力を必要としないときに心得るべきことは、この3つではないでしょうか。

「なんでもやる」
「とにかくやる」
「すぐにやる」

うん、フリーランスだろうが会社員であろうが関係なく共通するテーマが見えてきましたね。

この3つが貫ける人間であれば、フリーランスであろうが会社員であろうが、結果は出せるのでしょう。

セーフティネットも備えておこう

とはいえ、紆余曲折、山あり谷ありのビジネス界です。

いざとなったときには、折れそうになったときの自分を支えてくれる『信用できる誰かに泣きつくこと』と著者ははっきりと書いています。

 

そう思えば、このことは先述した『(仕事を)誰とやるか』ということと密接に関係があるでしょう。

 

自分がビジネスを広げる場所をよく見極めたその先に、誰とどうやって展開していくのか。

そしてそれを、スピード感と好奇心とがむしゃらさで貫ける人が、成功するのかもしれません。

今回ご紹介した本はこちら